- 情け
- なさけ【情け】(1)他人に対する心づかい。 哀れみや思いやりの感情。
「人の~にすがる」「人の~が身にしみる」
(2)男女の愛情。 恋愛の情。 恋心。「深~」「姫君様の~程我身の罪は重うなる/浄瑠璃・反魂香」
(3)男女の情事。 色事。「~を商売になさるる吾妻様/浄瑠璃・寿の門松」
(4)人としての感情。「人, 木石にあらざれば, 皆~あり/源氏(蜻蛉)」
(5)風流の心。 趣味を解する心。「~ある人にて, 瓶(カメ)に花をさせり/伊勢 101」
(6)風情(フゼイ)。 おもむき。 情緒。「たれこめて春のゆくへ知らぬも, なほあはれに~深し/徒然 137」
(7)義理。「~の兄の継信が行方を尋ね出るにぞ/浄瑠璃・門出八島」
~が仇(アダ)好意でしてやったことが, かえって相手のためにならないこと。 思いやりがかえって悪い結果になること。~に刃向(ハム)かう刃(ヤイバ)なし情愛に対しては何物も敵対できない。~は人の為(タメ)ならず情けを人にかけておけば, 巡り巡って自分によい報いが来るということ。~を売・る(1)色を売る。 売春する。(2)(自分の利益のために)相手に情けを施す。~を掛・けるあわれみをかける。 親切にしてやったり, 思いやりのある言葉をかけたりする。~を交(カ)わ・す思いをかけ合う。 情愛を交わす。~を知・る(1)人情のこまやかさを理解している。(2)色恋の道に通じている。 また, 情事を体験する。
Japanese explanatory dictionaries. 2013.